佐藤春夫
短歌
〔石榴花〕
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ふるさとの柑子(かうじ)の山を歩けども癒えぬなげきは誰が與へけん
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1910年(明治43)6月1日発行の『スバル』(第二年第六号)に掲載
燈火
ふるさとのあらき高嶺の巌(いは)にふし鷲の子などとわらひてあらむ
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ふるさとの浜べにゆけばはまゆふの匂(にほ)ふゆふべぞかなしかりける
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1910年(明治43)8月1日発行の『帝国文学』(第一六年第八号)に掲載
底本:『定本 佐藤春夫全集』 第2巻、臨川書店
(入力 てつ@み熊野ねっと)
2015.9.3 UP